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?情報システムの活用状況
日造協調査では、情報収集ツールとしての「パソコン通信並びにパソコンを通じた商用データベースの活用」は2%未満に留まっているが、前述の商工中金の調査では、パソコン通信の導入企業は約2割強に達し、導入予定を含めると過半数を超える。また「内部経営情報の管理36.5%」「販路拡大20.7%」をはじめ、幅広く活用されている。なお、今後の予定では、「インターネット(35.4%)」を検討する企業が最も多くなっていることが注目される。

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?情報化の評価と課題
中小企業事業団の調査によれば、コンピュータ導入企業の約6割は初期導入段階を終え、業務効率化の段階に進んでいるが、その一方で、ネットワーク化やデータの戦略的活用を行っている企業は1割に満たない。多くの中小企業が、コンピュータを導入しているにもかかわらず、その利用は一部の定型的な業務処理に限られているのが現状と言える。
また、同調査において、社内の情報化に対する自己評価では、約6割の企業が肯定的な評価をしており、情報化による成果が確実に上がっていることが伺える。
情報化の現状に否定的な自己評価を行った約3割の企業に対して、その理由を尋ねた質問では、「情報化の目的」、「情報化の推進体制」、「情報化の人材」に問題があったことが指摘されている。情報化の推進を図るうえで、?目的の明確化、?社内の受入れ土壌の確認、?自社にあった情報化機器・ネツトワークの選択と有効活用策の検討、?自社の経営とコンピュータ知識を兼ね備えた推進担当者の確保、が重要なポイントである。
日造協傘下企業も含め、中小企業の情報化の実態は、コンピュータの導入率という表面的な意味では、着実な進展がみられるが、情報化の対象範囲や情報化の高度化利用(戦略的活用、ネットワーク化、情報発信など)という意味では、大企業との格差が、ますます拡大する可能性を秘めていると言えよう。

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